オートロックマンションの「在宅確認」をDX化――PacPort、国土交通省補助事業に採択
不動産アプリとオートロック設備を連携し、置き配・対面受け渡しの効率化を実証
PacPort株式会社(本社:東京都千代田区、取締役代表執行役員社長 楢﨑 泰司)は、このたび国土交通省の補助事業「物流負荷の低減に向けた多様・柔軟な受取・注文方法の普及促進事業」において、「オートロックマンションにおける不動産アプリを活用した事業者間連携による置き配普及・配達オペレーション簡素化実証事業」が採択されました。
本実証では、不動産アプリを起点に、複数の大手設備メーカー、宅配事業者、居住者が連携する配送プラットフォームを構築し、「置き配」と「宅配便」の双方に対応した新たな配送オペレーションの有効性を検証します。これにより、物流・不動産・住宅設備業界を横断する社会インフラの実現を目指します。
背景
EC市場の拡大や配送需要の増加に伴い、ラストワンマイル配送の効率化は物流業界全体で取り組むべき重要なテーマとなっています。国土交通省の調査(2026年4月)によると、都市部の再配達率は8.5%と全国平均の7.6%を上回り、非対面での受け取り割合は31.0%にとどまっています。特にオートロックマンションでは、セキュリティを確保しながら非対面で受け渡すことが難しく、再配達削減に向けた大きな障壁となっています。
こうした状況を受け、国土交通省は、再配達の削減や物流業界の人手不足への対応の一環として、2030年度までに非対面での受け取り割合を50%まで引き上げる目標を掲げています。
一方、オートロックマンションでは、高いセキュリティを維持しながら居住者の利便性を向上させる必要があり、「置き配」と「対面宅配」を効率的に両立できる仕組みづくりが求められています。特に、「宅配便」において、オートロックを解錠できた場合でも、在宅確認のためのインターホン応対や再訪問が必要となるケースがあり、配送現場と居住者の双方に負担が生じることがあります。
PacPortは、こうした課題を解決するため、宅配事業者の業務端末、マンション設備、不動産アプリなどを連携させ、在宅確認・判断・入館手続きをデジタル化・効率化する新たな配送オペレーションを実証します。
実証事業の概要
本実証では、宅配事業者の業務端末を活用し、「置き配」と「宅配便」を統合的に運用する新たな配送オペレーションを検証します。実証の実施時期および対象範囲については、今後、関係事業者との協議・調整を踏まえて決定します。
在宅確認DXと事業者間の連携
本実証の中核となるのが「在宅確認のDX」です。従来はインターホンを通じた会話や解錠によって行っていた在宅確認をデジタル化し、居住者がスマートフォンや宅内機画面から選択した受け取り方法(置き配・対面受け渡し・不在)の情報をリアルタイムに宅配員の業務端末へ通知します。これにより、配送判断の迅速化と業務効率化を図ります。
また、設備メーカー、不動産会社、管理会社、宅配事業者が共通プラットフォーム上で情報連携することにより、配送オペレーション全体の最適化を図るとともに、荷物単位の配送時間の短縮や物流負荷の低減につなげます。
中核となる配送オペレーション技術については、現在特許を出願中です。
PacPortは、これまで培ってきたオートロック解錠・在宅確認技術と、新たに開発した配送オペレーション技術を融合し、物流・不動産・住宅設備業界を横断する事業者間連携型配送プラットフォームの実現を目指します。
導入メリット
| 導入前の課題 | PacPortソリューション | 導入効果 |
|---|---|---|
| 宅配事業者ごとに異なるオペレーション | 設備メーカー、宅配事業者、居住者を共通プラットフォームで連携 | 配送オペレーションの標準化 |
| 「置き配」と「宅配便」で運用が分かれている | 「置き配」と「宅配便」を統合した配送プラットフォーム提供 | 配送オペレーションの簡素化・効率化 |
| 在宅確認に時間と手間がかかる | デジタルで荷受け指示・在宅情報を一元管理(在宅確認のDX) | 配送判断の迅速化と配送時間の短縮 |
| 物件ごとに専用宅配ロッカーの存在が把握されていない | 専用宅配ロッカーの情報共有(空き状況を含めて) | 配送効率の向上と現場負担の軽減 |
PacPort株式会社 代表執行役員社長 楢﨑 泰司 コメント
「これまで『置き配』は利用者が選択する任意サービスでしたが、物流業界の人手不足や再配達削減への対応を背景に、配送の在り方は『置き配』を前提とした方向へと変化しつつあります。本実証を通じて、PacPortは業界横断で利用できる配送オペレーションの共通モデルの確立を目指します。さらに、幅広いパートナーとの共創により、持続可能な物流インフラの構築を進め、国土交通省が掲げる2030年度の非対面受け取り割合の目標達成に貢献してまいります。」
PacPort株式会社について
PacPort株式会社は、「Building as a Service(BaaS)」をコンセプトに、建物を人とサービスをつなぐプラットフォームを提供するテクノロジー企業です。知的財産を基盤としたオートロック解錠技術、配送オペレーションの高度化、事業者間連携プラットフォームの提供を通じて、物流・不動産・住宅設備業界を横断する持続可能な物流・住生活インフラの実現を推進するとともに、人・建物・サービスをつなぐ新たな社会インフラの創造に取り組んでいます。